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​冨田 夏子

医師である両親に憧れ,東京医科歯科大学医学科に入学.卒後初期研修1年目で麻酔科と救急科をローテーションした際,できないことだらけで悔しい思いをする反面、全身管理を担当する2つの診療科に興味を覚えた.研修医2年目では,東京医科歯科大学医学部附属病院で救急科を選択,そこで麻酔科をサブスペシャリティとして活躍する医師に出会い、感銘を受ける。

東京医科歯科大学救命救急センターに入局し,医師3年目は大学で救急科レジデント生活を送る.以降,済生会横浜市東部病院麻酔科,高島平中央総合病院麻酔科で研鑽を積み,麻酔科の専門医を取得.現在は,当院救命救急センター診療グループリーダーとして救急患者診療を行いつつ,麻酔科医として定時手術の麻酔も行う

患者さんの命を支え続ける

救急外来から手術室,集中治療室までずっと

蘇生も麻酔も集中治療も.場面を問わない全身管理〜救急と麻酔のダブルボード〜

もともと,医療者の技術で患者さんを治す,手術という治療に興味を持っていました.特に緊急手術では劇的に患者さんが良くなるのを目撃することができます.1つの手術に,外科系医師,麻酔科医,手術室看護師,場合によっては臨床工学技士や放射線技師などのコメディカルが1つのチームになって一人の患者を救う,このメンバーの一人に私もなりたかったのです.

​ただ,麻酔科医は手術中の全身管理を行いますが,通常,手術前の救急外来対応や,術後管理に関して,自分が主治医や責任者として関わることはあまりありません.私は,患者さんが搬送されてきたときの蘇生(ここでは呼吸や循環などを安定化させること)から,手術中お麻酔,またその後の集中治療管理まで,患者さんが本当に回復するまで主体的に関わりたい,と思っていました.

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そんな折,私が入局した東京医科歯科大学救命救急センターで,救急科専門医かつ麻酔科専門医として救命救急センターでまさにそれを体現している,しかも,女性である先輩医師に出会い,私の目指すところはここだと,確信しました.
今は,麻酔科専門医取得後,救急専門医の取得を目指しているところです.ダブルボードの取得には2倍の時間がかかってしまいますが,2つ目の専門医取得は,1つ目の専門医を活かしながらできるため,現場に必要とされながら行うことができます.当院では救急患者の診療グループ長を任せていただいており,かつ,週1回麻酔科勤務も行うことができていて,非常に充実しています.

いろいろな人生のカタチを応援する職場

正直なところ,私が救急に入局した時は,やはり女性医師も少なく,いろいろな意味で,自分が救急という現場でちゃんとやっていけるか不安はありました.でも,女性の先生達を含めた医局の明るい雰囲気が大好きで,思い切って最終的に救急科入局を決めました.それから10年弱が経とうとしていますが,性別で困難と感じることはほとんどありませんでした.特に当院では,性別だけにとどまらず,様々な人生のカタチが尊重されていて,むしろ多様性ゆえの組織の強さがあるように思います.女性だからとか男性だからとか,そんな時代はもう終わるんだな,そう実感しています. 
ただ,そうは言っても,妊娠,出産,育児に関してご心配されている方も多いと思います.家庭内でどんなにサポートがあったとしても妊娠出産を行うのは女性でしかできません.育児に関しても,家庭内で協力したから仕事に影響がなくなるわけではありませんし,家族のカタチによっては自分がかなりの部分を担うこともあるのが実情です.また,人生におけるイベントはそれだけではありません.なので,性別問わず,家族の理解だけでなく,職場の理解もとても重要です.

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でも,私も育児の多くの部分を担っていますが,それに応じた勤務を調整していただいており,仲間の温かいサポートのもと,楽しく仕事をし,かつ,大好きな子供ともたくさんの時間を過ごせています.救急科は,いろいろな人生を目撃することが多い診療科だけに,スタッフに対しても自然と理解してあげられるのかもしれません.救急科のイメージとして、女性だと働きづらいかな、とか、子供ができたら難しいのではと考えている人に、こういう働き方もあるんだなというひとつのロールモデルを,私は当院で示していきたいと思っています。

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